1. ホーム
  2. 農産物
  3. ナス
  4. 栄養価・歴史・ことわざ・料理での色落ちを防ぐ

農産物

[ナス] 栄養価・歴史・ことわざ・料理での色落ちを防ぐ

栄養価

200910_01.jpgナスは93%が水分。十分な水分が体を冷やし、暑いときにありがちな「のぼせ」「ほてり」を解消してくれます。ほかの野菜に多いビタミンやミネラルはあまり含まれていませんが、カリウムはトマトやキュウリと同程度にあり、食物繊維も比較的多く含まれています。100g中のエネルギーは22キロカロリーと低めなので、煮びたしや焼きナス、蒸しナスなどはダイエット中の人にもうれしい食べ方です。
ナスの紫色の皮に含まれるフラボノイドという成分には抗がん作用のあることが認められ、同じく皮に含まれるナスニンという成分にはコレステロール値を下げ、動脈硬化を防ぐ働きがあることが分かっています。さらに、ナスニンとともに含まれるシソニンも老化防止に役立ちます。油で炒めることでナスニンの損失が少なくなり、吸収率も高まります。また、ナスをぬか漬けにするとビタミンB1やカリウムは2倍に増えます。
調理法は煮物、揚げ物、炒め物、漬物といろいろあり、味付けに工夫ができるだけでなく、食感も柔らかいため高齢の方にも食べられます。おいしい旬のナスを使って、たくさんの料理を楽しんでみませんか?

歴史

ナスは夏の食卓に欠かせない野菜。原産地はインド東部辺りといわれています。濃い紫色を「茄子(なす)紺」というように、日本では現在、黒紫色が普通ですが、熱帯アジアの市場では、緑や白、黄色など、多彩なナスが並んでいます。形も30㎝以上の長いものからウズラの卵大の小型種、縦にひだの入ったきんちゃくのような形までさまざまです。
日本へは奈良時代以前に渡来したといわれています。正倉院に所蔵されている文書の記録に、「藍園茄子を進上した」との記述が見られます。江戸時代の「農業全書」(1697年)には「紫白青の三色あり、又丸きあり、長きあり」と記され、すでに多くの品種が存在していたことが分かります。
現在も、特有の品種が各地方に根付いています。品種によって調理法に向き、不向きがあり、柔らかくて水分量の多い「水ナス」や、小型で歯触りの良い「民田(みんでん)ナス」は漬物に、皮が固く肉質のしっかりした品種は、焼き物や煮物に向いています。

ことわざ

 「一富士、二鷹、三なすび」ということわざがあり、夢に見るとめでたいものの順番を指します。さまざまな説がありますが、一説によると、駿河の国の高いもの(縁起の良いもの)を並べたものだとか。一が富士山、二は愛鷹(あしたか)の山、三のナスだけとっぴな感じがします。実は江戸時代、駿河の国ではナス苗を油紙障子で囲み、馬ふんなどの発酵熱を利用して、促成栽培が行なわれていました。ついには正月に初物が収穫できるようになり、1個1両と言われるほど高値で取引されたそうです。庶民には高嶺の花、あこがれの初物だったわけです。
また、ナスに関することわざも多くあり、なかでも「秋茄子嫁に食わすな」は有名です。これは、二通りの解釈があり、一つは、「秋ナスはおいしいので嫁には食べさせない」という“意地悪ばあさん”的解釈です。もう一つは、「ナスは体を冷やすので、涼しくなる秋に食べて流産しては大変だ」、あるいは、「秋ナスは種が少ないので、子どもに恵まれなくなる」、といういわば“親切ばあさん”的解釈です。いずれにしても、ナスがどれほど日本人の食生活に浸透していたかが良く分かりますね。

新鮮なナスの選び方
1.ヘタの切り口が新しく、トゲがとがっているもの
2.果皮に弾力があり、傷がなくつやのあるもの
3.色が濃いもの

料理での色落ちを防ぐ

200910_02.jpg油を使わずにナスのきれいな紫色を残したいときは、ナスを半分に切ってザルに並べ、3時間ほど干します。ナスニンが安定するので、きれいな色を残すことができます。

Q.ナスの味噌汁を作ったときに、汁が変色するのはなぜ?

A.ナスに含まれるナスニンなどのポリフェノールは、水に溶けやすい性質を持っています。色移りするのはそのためですが、問題なく召し上がれます。

Q.皮や果肉が茶色に変色するのはなぜ

A.ナスは冷蔵庫などで保存すると凍傷の症状として、茶色に変色する場合があります。また、5℃以下ではナスが縮んでしまうので冷やしすぎには要注意。ナスを保存する適温は7~10℃が目安です。冷蔵庫で保存する場合は、袋や新聞紙などで包み、なるべく冷えないようにしましょう。長く保存したいときには、調理してから保存します。煮込んだもの、炒めたもの、蒸したものは密閉袋や密閉容器に入れて冷凍保存することができますが、生のまま焼いたものは冷凍保存には向きません。約1カ月を目安にして使い切るようにしましょう。